テスト自動化アプリをプライベートで作る意義

技術的な記事を2つ書いた後ということで順番が逆になってしまい恐縮ですが

「テスト自動化アプリをプライベートで作る」という解決方法に至ったまでの、

 

 1.そもそもの解決したい問題

 2.問題解決の選択肢

 3.その選択肢を選んだ理由

 

を書いておこうと思います。自戒を込めて。

 

1.そもそもの解決したい問題

 これはド直球に「値段が高い」ことです。

 巷のWindowsアプリ向けのテスト自動化アプリのお値段はすべからず高価です。1つ例として、画面テスト機能を持ったVisualStudioのEnteprise版は、初期購入で70万円くらいします。

 

https://visualstudio.microsoft.com/ja/vs/pricing/

 

 私が在籍している会社では人数短期での開発が多く、予算はカツカツなことがほとんどです。テスト自動化アプリを購入する予算は組めません。開発受託会社なので保守・運用を行う機会が少なく回帰テストの重要性が低く、テスト自動化アプリの有用性が高くない環境なので勘定に組みづらいという面もあります。

 でも、受託開発中でもテスト自動化は導入できるものならしたいです。1日ノルマ50件でアプリ立ち上げてスナップショット撮ってExcelに貼って、、という退屈から解放されたい。もしお値段が安ければ個人の裁量で導入できる。こうなったら素晴らしいことだと思います。

 

2.問題解決の選択肢

 要はテスト自動化出来れば、別に自作する必要はありません。しかし、どうやら今の世の中には個人裁量で気軽に購入できるほどの安価な商品は見つかりませんでした。

 「無いなら作ろう」

 という話にしても、普通のサラリーマンであれば「会社で提案してみる」なんていう方法もアリなのではないでしょうか。企画書作ってデモして。

 実は私、テスト自動化アプリについて簡単な企画書とプロトタイプで社内提案してみました。市場調査や競合他社、特許、ブランド化イメージ、etc...と、パワポで箇条書きして。結果、役員の方から「いいじゃない」とご意見貰いまして、ウチの部署でやってみてよ、という手筈になりました。

 その後、紆余曲折(※1)あって、この話は私の方から上司にお断りの話をさせて頂きました。いっそのこと、もう自作しようと。その方が納得できるかなと。

 

3.その選択肢を選んだ理由

 これは別案件でモバイル向け通話アプリの市場調査をしていた時に知ったのですが、日本だとLINEがシェアの大半です。しかし、海外だと「WhatsApp」が最もメジャーです。この「WhatsApp」の売上モデルがとても印象的でして。(※2)

 この記事を知って、私は単純に「WhatsAppかっけ~」と感動しました。もし、自分に同じような舵取りを決める機会があるならば、LINEではなくWhatsAppを目指したいと。

 で、仮に、このテスト自動化アプリが自社商品として成長したとき、どのようなビジネスモデルになるのだろうか、と考えました。そして、会社だとWhatsAppのようなビジネスモデルは難しいだろうと思いました。

 WhatsAppは1人当たり年間0.99ドル支払ったとしても利用者数が 4.5億人 いれば 450億円の売上で、その市場規模ならビジネスとして成り立つのでしょう。しかし、Windowsのテスト自動化アプリはニッチです。「ニッチだけど需要があるから高い値段でも買う人がいる」モデルなので、値段が高いのは構造上仕方がない。そして、値段が高くなると、そもそもの「値段が高い」という問題を解決できない。

 なら、いっそのこと個人でやろうと。自分で使いたいアプリを好き勝手作ろうと。最近もうWinFormsの新規開発案件なんて稀だし、折角だから最後に、今まで努力してきた技術もふんだんに使ってやろうと。その方が気ままに楽しそうだなと、そんな感じです。

 

 

(※1)

 細かいこともあったのですが、一番の理由は、一緒にプロトタイプを作ってくれた後輩が会社を辞めてしまいまして。それで人手が確保できなくて、且つ、私のモチベーションも下がってしまって。また、この直後に業務でAWSを勉強する機会に恵まれてしまい、そちらに没頭してしまいました。おかげ様でAWSの資格を取ることができました。

 

(※2)

2014年の記事なのでちょっと古いですが

https://diamond.jp/articles/-/52086?page=2